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fumimakerが作ったもの、やったことについてのつらつら書いていきます。

電子工作でコネクタを作る! おすすめの圧着工具

圧着端子について

今回は電子工作工具第二回です.電子工作でよく使う圧着端子について書きます.
ある程度電子工作をやっているとコネクタを作りたいという気持ちが出てくると思います。コネクタを使えるようになると工作の幅がグッと広がります。コネクタ付きケーブルは秋月や千石でも売っていますが、もっとたくさんのピンがあるものがほしい、この大きさのコネクタがほしいという要望がでてきます、そういった際はコネクタを自作することになります。

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いざコネクタと作ろうとするとどの工具がどのピンに適合するのかよくわかりません。対応していると謳っている工具も本当に使えるのか?微妙なところはあります。
この記事では実際にいくつかの工具を試しながらおすすめの圧着工具を紹介します。

前回の記事では電子工作で頻繁に使う工具のおすすめを書いたので良ければ御覧ください.

fumimaker.hatenablog.com

前回の「私が推す電子工作の工具」ではたくさんの反響いただきありがとうございました。朝起きたらとんでもないことになっててびっくりしました。同時にはてなブックマークというものを知りました。あんな機能あったんですね。備忘録がわりのこんなブログが少しでも皆さんのお役に立ったのであれば幸いです。

これまで殺めてきたコネクタピンの数を覚えているか

数えきれないほどやってきました。手を真っ赤にしながらいびつに歪んだコネクタを大量に作ってきました。接触不良も大量に作ってきました。もういい加減なんとかしたい。安く精度良く圧着したい。その思いでいろいろ圧着工具を試しました。 とはいってもまだ3種だけなんですけどね。工具が一個5000円1万円とかザラなのであんまりいっぱい試せないのが現状です。

コネクタ自作をしよう!

メリット

  • コネクタがあれば自由に配線を抜き差しすることができるようになるのでパーツが故障してもはんだ付けなしで交換できるようになります。結構便利。
  • 複数の基板やセンサーをつなぐことができる。
  • 自由に線の数やコネクタの種類を決めることができるので工作の自由度が広がる。

デメリット

  • しっかり圧着してコネクタを作らないと接触不良になることがあります。
  • 金属を噛ませている以上、半田付けよりも接触抵抗が高くなるので電流を流しすぎるとコネクタが溶けます。

ちゃんと使えばめっちゃ便利なコネクタですが、適合しない工具で圧着をすると失敗しがちです。コネクタそれぞれに純正の工具を売っていますが値段が4万円~10万円と非常に高額で手が届きません。純正なんでこんなに高いねん。

電子工作でよく使うコネクタ

電子工作でよく使われるコネクタをあげます。

JST XHコネクタ

小型ながら3Aまで行ける結構強いコネクタ。2.5mmピッチでユニバーサル基板にそのまま刺さるので普段の電子工作では全部これを使っています。方向性があり間違えて逆に刺すこともないです。2ピンから20ピン(使ったことないけど)まであるのでなんでも行けそう。結構ガチっとハマるので抜けることもあんまりなさそう。22AWG~28AWGまで適合します。

https://assets.misumi-ec.com/is/image/misumiPrd/110500042320_001?$product_main$

http://akizukidenshi.com/img/goods/C/C-12257.jpg

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ベースポストもあるよ

また、ベースポストがあるので差し込む向きが一目瞭然です。

2550(QI)(デュポン)コネクタ

これ結局なんて名前なんですかね。私が知ってる中では2550、QI、デュポンの3種類の呼び方を知っています。信号伝達ピンなんて呼ばれ方をすることもある。そしてどこの会社の規格なのかも不明な規格です。JSTではREコネクタっていうのが似てるけどどうなんだろう。誰か教えてください。
それにもかかわらずほとんどのPC内部や電化製品などに汎用的に使われるコネクタです。出番は意外に多い。なんかのモジュールとか怪しいキットとかはだいたいこれ使ってる。2.54mmのピンヘッダにそのまま刺さるから使い所が多いのかもしれない。

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よく見るやつですね

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ジャンパやピンヘッダなどなんでも刺さります

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圧着の順番

以下の順番でコネクタを作っていきます。

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ケーブル・ピン・コネクタハウジング

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ケーブルとピンを圧着します

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圧着できました

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ハウジングに刺します

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完成です!

簡単ですね! 圧着の部分が重要でしっかりと圧着できていなかったりずれていたりすると接触不良になり電流が流れなかったり、線が切れてしまうこともあります。ここで工具の良し悪しが重要になってくるわけです。

圧着工具

それでは使ってみて良かった工具を紹介します。圧着工具で調べると家の配線をやるような強電のものが多く出てきます。この記事では電子工作でよく使うさいサイズのものを紹介します。

Engineer PAシリーズ

みんな使ってる汎用圧着工具

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PA21
言わずとしれた電子工作に適合する圧着工具です。私はPA-21を持っています。ダイスの大きさがちょうどXHや2550と合うので汎用的に活躍できる工具です。電子工作用の圧着工具をAmazonで調べるとだいたいこれが出てきますね。様々なWebページでもほとんどこれが紹介されています。

エンジニア 精密圧着ペンチ PA-21

エンジニア 精密圧着ペンチ PA-21

しかし....?

いろいろ使えてめっちゃいいじゃん!って思うじゃん?でも「いろいろ使える」ってことはそのコネクタ専用工具ってことじゃないです。カシメ工具は非常に精度よく作られており、0.01mmのズレでも使用感に違和感が出てくるレベルです。(実際に錆びたりすると失敗しやすくなることもある)このため汎用品はぴったり適合せずにコネクタをきっちり圧着することができない場合があります。

PA-21は確かにXHや2550を圧着することができますが、被覆をむいた部分と被覆部分の2段階に分けて圧着する必要があり一つのピンをやるのに2倍の手間がかかります。また、それだけ失敗のリスクも高いのでおすすめできません。

実際に圧着

実際に圧着してみましょう。
PA21は導線部の圧着、被覆部の圧着2段階に分けて圧着する必要があります。

導線部の圧着

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導線部の圧着
圧着してみるとこのように反ってしまいます。反りをペンチなどで無理やり戻して導線部の圧着も行います。
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これ反るの私だけですかね...
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導線部圧着するとこういう感じ

被覆部の圧着

次は被覆部の圧着です。

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被覆部の圧着
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圧着後

完成です。完成しても今度は工具からピンが抜けない。ラジオペンチなど使って工具にハマってしまったピンを取り出す始末です。

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しょっちゅうはまって抜けなくなるんだよな...

あと個人的に辛いのがめちゃくちゃ力が必要な点です。こんなちっちゃいピンですが、かなりの力で圧着しないと接触不良になってしまいます。
純正の工具は力がいらないように大きいハンドルでてこを使ってカシメられるようになっているほか、ラチェットがついており途中までかしめて手を離しても戻りません。休憩だってできちゃいます。カチカチカチ…と締めて最後にカチンと手応えがあり、ラチェットが外れる場所まで締め切れば自然と適正な力でカシメられるようになっています。
しかしながら、PA21にはこれがないんです。(値段は10分の1だし仕方ないんだけどね。)体が浮くほど体重をかけ、手を真っ赤にしながら6ピンコネクタだったら頑張って12回かしめるわけです。

あとなんかずれてね...?

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ずれてね...?

XHコネクタ

このままではPA21がかわいそうなのでXHコネクタもやってみましょう。

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XH

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結構綺麗にできた

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は?

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綺麗にできました

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良さそう

XHコネクタであれば比較的失敗しにくい印象ありますね。2550は...きっと対応してないんだようん。

こんな人におすすめ

  • 初めて圧着したい人
  • とりあえずコネクタ作ってみたい
  • 安く収めたい

カシメ工具では非常に安い部類でここまで汎用的に使えるものはなかなかないので初めてコネクタを創る人にはおすすめできます。私も初めてはこれでした。
私は圧着工具を使う頻度が増えてきてどんどん辛くなったのでいい感じの工具を探すたびに出ました。

IWISS SN-2549

安くて高機能

最近Amazonで見つけた圧着工具です。IWISSってメーカー初めて聞いたんですが有名なメーカー何でしょうかね?Amazonの商品紹介ページ見た感じ日本語しっかりしてるし写真もおかしくないので中華系の怪しい感じじゃなさそうです。

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IWISS SN-25449

これのすごいところ

  • ラチェット機構搭載
    • これすごくないですか?一級品にしかついてない機能がついてますよ!
    • 途中までかしめてピンを保持する使い方ができるので非常に便利です。
  • 一応XHや2550に対応と謳っているほか、複数型のバレルがあるのでJST PHやNHも行けるらしい。
  • 価格が2500円の破格。
  • 一回で導線部も被覆部も圧着できる

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ラチェットとはこういう機構です
ラチェット付いてるのすごくない?めっちゃ便利だった。これ試すために買ったまである。そして2000円という破格ね。安すぎない? そんでもってこれ被覆部も導線部も圧着できる。すごい。

実際に圧着

実際に圧着してみます。

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2550やってみます
一回できれいに圧着できました。やっぱりラチェットあるの全然違いますね。ピンを保持しといて差し込んで締めるっていう使い方ができます。便利だ。
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分厚い
ハンドルがPA21よりもでかいので力もそこまでいらずに最後までカシメられる。カシメトルクも適正にできるのでとても重宝する。
そして本当に被覆部も導線部も同時に圧着できた。すごい。アマチュアユースなら全部これでいいんじゃないでしょうか。
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完成。とてもきれいにできた 
私の圧着のやり方として工具にピンが落ちないようにちょっと挟んだ状態で線を差し込み、導線部分がピンの圧着部分にうまいこと来るように微調整してガチっと締めます。この工具ではそれができませんでした。
ただし同時に圧着できるってことはそれだけダイスが分厚いってことです。要はダイスが厚すぎてピンと導線部の圧着部が見えません。目視で確認しながら圧着することが困難です。これは辛い。うーん悲しい。物はいいんだけどなぁ〜つらいなぁ。
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どのくらい線が差し込まれてるか見えない
でも当分はこれで困らなそう。やったぜ。
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完璧です。

こんな人におすすめ

  • 現在PA21を使っていてステップアップしたい人
  • 手が痛くて辛い人

2500円ならはじめての人も全員これでもいいんじゃね?とも思います。

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複数のダイスがあるので汎用的に使えます(2550,XH確認済み)

MISUMIオリジナル MILコネクタ圧着工具

https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/110400417250/
実質純正

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ハンドル長めでテコが働くためとても軽い力で締まる
お仕事で物作ってたときに使わせてもらった、びっくりするくらい良かった工具です。なんでこれを買わなかったんだろうって後悔したくらい良い工具です。なんならすべての人にこれをおすすめしたい。いままでの苦労は何だったんだってくらい精度良くかつ素早く圧着できます。
でもMISUMIなんですよねこれ...MISUMIは個人相手には何も売ってくれないので現状これを購入できません。会社や法人などは行けるみたいなので、もし会社で圧着に困っていたらこれを買うと良いと思います。
自分のいる研究室で買ってもらったんですが、やっぱり最高ですね。純正並みです。ラチェット搭載してるし、一回で圧着できるし、大きいハンドルで軽い力で圧着できるし、比較的平行にバレルが締まるのできれいに圧着できます。普通はハサミみたいに弧を描くように締まるのですがこの工具は平行に締まる機構になっています。(これ大事)

これにすごいところ

  • 平行にバレルが締まる
  • 一回で導線部も被覆部も圧着できる
  • 軽い力で締まる
  • ラチェット搭載

実際に圧着

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完璧です
試しにXHと2550のケーブルを作ってみました。言うことはありません。完璧です。軽い力で素早く精度良く一回で圧着できます。本当にありがとうございました。

XH

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一発できれいにいけます。

2550

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今までの苦労は何だったんだ...

こんな人におすすめ

  • MISUMIで買えるすべての人

ただね、ちょっと値段が高いっていうのが痛いとこですね。1万5000円くらいします。でも頻繁に圧着するのであればこの勝ちがあると思います。(私はあんまり圧着しないけどほしい)
また、この工具は汎用品ではないので他のコネクタに流用することができません。コネクタごとの専用工具となってます。
それでも数万円する純正を買うことを考えるとかなり安いんじゃないでしょうか?
XHコネクタ用やPHコネクタ用など有名な規格であれば売っています。

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XH用とMILコネクタ用(2550)

XHコネクタ純正工具

https://assets.misumi-ec.com/is/image/misumiPrd/110400201560_001?$product_main$

妥協しないすべての人に


はい、説明不要ですね。本物純正のカシメ工具です。
使ったことありますが、この品質は確かです。壊れる気配がありません。
やっぱり高いです。XHコネクタのもので5万5000円です。うわー!!

こんな人におすすめ

  • 妥協しない人へ。

高校生の頃、学校に純正があったので使っていましたが本当に使いやすいです。ミスも不良も全然ないです。プロユースであればやはり純正一択でしょうね。

以上になります。自分の主観が入りまくってるのであれですが、少しでも参考になれば幸いです。

今回はそんな感じです。